詩。

2009年05月10日

空虚

空が高いと云うよりは

空が遠いと感じるのだ

天は遥か

此の手の届かぬ処

穢れた地から逃れる様に

紅く染まった手から離れ

やがて私は光りを失う

天も見放す是の御霊

行き着く先は

永遠と云う名の紅い牢獄


at 21:06|Permalink

歪な愛情

君の美しい顔

君の美しい身体

瞳を閉じて

言葉は要らない

唯 君は黙って

僕の隣に

居てくれれば良い

青白い肌が

月明かりに映える

喋らない君

老いない君

この世で一番

美しい君

刺も持たぬ

散らぬ薔薇

動かない君を愛でる

僕は

死体愛好家


at 21:00|Permalink

2009年04月05日

狂気に駆られた愛憎

愛してるの

心の底から

ねぇ

こっちを向いて?

愛してるの

心の底から

ねぇ

こっちを向いて?

じゃないと私

貴方を殺してしまいそう


at 09:49|Permalink

生まれ出モノ

音を無くして

言葉を無くして

夢を無くして

何が残る?

そうね、私なら

干からびた亡骸かしら


at 09:43|Permalink

虚無

喋るのも面倒

息をするのさえ億劫

頭に言葉は浮かんでも

紡ぐ気力は皆無

生まれては消え行く言葉たち

風の前の塵に同じ

声を無くした人魚は

夢を無くした眠り姫

詩を無くした詩人は

もはや其れに非ず


at 09:42|Permalink